「あ…この曲良いな。なんて人が歌ってるんだろ。」
YouTubeでいろんな音楽を聴いていて、たまたま、あるアーティストの曲に聴き入りました。
しばらくドローン関係の記事をUPしてきた管理人ですが。ちょっと小休止。
ここでは“音楽オタク”な部分をお見せしたいと思います。
一時期は、トランペットでミュージシャンになろうなんて夢をもっていた管理人。
残念ながら、その夢は叶いませんでしたが、その頃からの習慣で「良質な曲探し」には常に貪欲になっています。
そうしたら最近良質なポップミュージックを聞かせてくれるアーティストを見つけたんです。しかも、活動拠点は管理人の地元、宮城県(仙台市のある県です)。
そのアーティストは「Tae-chu」(たえちゅー)といいます。
Tae-chu「かくれんぼ」という曲に込められたメッセージ
この曲です。管理人が聴き入ったのは。「かくれんぼ」といいます。
「かくれんぼ」なんてタイトルだけ見ると、子供の心を映した明るい曲を想像しそうですが…
この曲が初めて世に出たのは2014.3.11のI-Tunes。
そう、この曲は東日本大震災の被災者に向けて書かれたメッセージソングです。もちろんTae-chuのメンバーも被災者です。
2011.3.11. 14:46
マグニチュード9.0という、私たちが今までに体験したことのない大規模の地震が起こりました。
- 身一つで避難所へ駆け込む人たち。
- 住み慣れた土地を、自然の暴力が破壊していくのを、ただ見ている事しかできないはがゆさ。
- 押し寄せる津波に飲み込まれた家、車、そして…人。今でも、数多くの行方不明者がいます。
大切な人がいつまでたっても見つからない。現実を受け入れられない思いが
「かくれんぼだったらよかったのに…」
という1フレーズに込められています。
- 大切な人を失った悲しみ
- 日常を台無しにされたやり場のない怒り
- 3年という月日が風化させてしまう記憶
この思いをどこにぶつければいいの。
でも…それでも強く生きていかなきゃ。
被災者の気持ちを代弁するかのように、ボーカルのTaeさんがせつなく歌い上げています。
(画像はご本人から特別に許可をいただいて掲載しているものです。無断転載は固く禁止致します。)
「かくれんぼ」がリリースまでに3年という時間を要した理由
ところで、この曲、リリースまでに震災発生から3年という時間を要しています。なぜか?
これは管理人の推測でしかありません。が、おそらく当たっていると思います。
管理人も被災者です。正直、震災直後は、音楽なんて聞いているどころではありませんでした。
今日という日をどう過ごすか。
被災者の気持ちはそれでいっぱいいっぱいでした。震災当時、知り合いのミュージシャンにも話を聞けましたが
「今の被災者の気持ちは音楽より目先のパンだ。」
と言っていましたから。管理人もこの言葉には激しく同意しましたね。
震災から3年という月日を経て、やっと震災というものを一歩引いた目で見られるようになって、リリースを考えられるようになったのだと思います。
(画像掲載を許可していただくにあたって、直接Tae-chuさんとメールのやりとりをさせてもらいました。丁寧なメールをいただけて嬉しかったです。)
「Tae-chu」ってどんな人たち?
2013年2月にシンガーソングライターのTae(Vo)とアレンジャー&サウンドプロデューサーのヨースケ(Pf,Cho)によって結成された2人組ポップスユニット。
タイトルには「仙台発」と書いていますが、正確には仙台より少し南の宮城県丸森町を拠点にしています。
(宮城というより仙台と言った方が全国的に通りがいいので)
サウンドの方向性は、基本的にアコースティック。音源を聞くと、アレンジャーのヨースケさん、かなりの音楽センスの持ち主と思われます。
オケだけ聞いていても、とても心地がいいです。
しかし、これだけの質の高いオケを相手にTaeさんのボーカルが全く負けていないのがすごい。管理人は昔、バンドを組んだことがあって、その時にボーカル探しってすごい苦労したんですよ。
抜けのいい声の持ち主って本当に少ないんです。
ボーカルではなく、声優の話になるんですが、管理人が昔よく見た声優オーディション番組で、大山のぶ代さん(テレ朝初代ドラえもんの声の人)が、
「声の仕事をする人に求められる資質は”鼻に息がきちんと抜けている”事だ。」
という言葉が印象に残ってまして、本当にその通りだと思った覚えがあります。私が慢性鼻炎で声が鼻づまり声なので、鼻に息が通らない声というのがなおさらよくわかります。
この資質というのは、声優だけでなく、ボーカリストにも共通すると思います。
鼻に息の通ってない人に歌を歌ってもらうと分かるんですが、ライブハウスやホールなどで、ものの見事に歌声がステージ正面の壁まで届かない。
Taeさんの声はキチンと”鼻に息が通っている”ので、声が遠くまで届くんですよね。正直うらやましい資質です。
よくぞ、これだけの才能が、言い方悪いですが、片田舎の宮城県丸森町にいたな~というのが正直な感想でもあります^^ゞ
さすがに全国から声がかかるようで、ライブハウスやイベントに精力的にまわっているようですが、
全国区の”メディア”に出しても恥ずかしくないユニットだと管理人は思います。はい。
「Tae-chu」管理人お気に入りの曲、他にも紹介
Tae-chuは今までに
- シングル5枚
- アルバム2枚
- そしてI-Tunes配信限定の「かくれんぼ」
をリリースしています。そして、Youtube公式動画に41本アップしています。
なかなかの名曲ぞろいで、どれを推そうか迷うところですが、この4曲を管理人は特に気に入っています。
- マーブル雲
- あぶくまの里
- たたかう小さな戦士
- ガブガブガブリくん
(YouTubeに行って、上のキーワードで検索すればヒットします。下の動画はマーブル雲です。)
管理人が勝手に解釈した解説をここから書きます。聴くときの参考にしてください。
マーブル雲
Tae-Chu初の音源。まさに空に浮かぶマーブル雲のように、のびのびと奔放に歌うTaeさんのボーカルが気持ちいい曲です。
ヨースケさんの生み出すサウンドも良質です。
あぶくまの里
スローテンポの曲、童謡によく使われるペンタトニックという音階を使用し、懐かしい曲調に仕上げています。
曲は宮城県を流れる阿武隈川と周りの風景を歌ったもの。アクセントに入った方言が郷愁を誘います。
たたかう小さな戦士
スローテンポの16ビートの曲。変二長調→二長調→変二長調への転調が心地いいです。
歌詞を聞いた限り「働きアリ」の事だと思います。ヨースケさんのピアノをバックにTaeさんがしっとりと歌い上げます。
ガブガブガブリくん
Tae-chuには珍しいテクノポップテイストの曲。もともとは宮城県角田市商店街、角田スタンプ会公認ゆるキャラ「ガブリ君」のために書かれた曲で、ライブで演奏するときは、必ずガブリ君も同伴(笑)、Taeさんのはじけっぷりが見どころ。
参考までに「かくれんぼ」が2バージョンUPされています。これは、時を経たことで、一被災者Tae-Chuとしての震災に対する向きあい方の変化が、曲想に表れたものと思われます。
新しい方が、少し落ち着いたタッチで表現されてますね。
最後に
いかがでしたでしょうか。管理人が宮城県で見つけた、良質なポップユニット「Tae-chu」の事について書いてきました。
う~ん、すっかりハマりましたね。出来れば、盛大に全国区のメディアに出ていただきたいところです。もっとも、「Tae-chu」さんが
「今の知名度、活動で満足しています。」と言われれば、余計なおせっかいなのですが(汗)…。でも、
これだけの良質なポップユニットが、全国区のメディアに出ないのは、もったいないなぁ。
と管理人は思います。実際300人収容の会場のライブも、プロダクションなどに頼らず自力で、成功させているらしいので。
でも、「Tae-chu」のサウンドは小さな会場でこそハマるような気もしますし。
まずは、ライブに一度足を運んでみたいですね。 YouTubeでしか見ていないので。
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