これは、管理人が初めてライブハウスに行ったときに実際にあったやり取りです。
「ドリンク代って何?! そんなお金あったっけ?!」
幸いその時は少し余分にお金を持っていたのでドリンク代を払えましたが、かなりヒヤヒヤさせられました。
ほとんどのライブハウスでは、入場料とは別に「ドリンク代」を取られます。
バンドのライブ告知でもほとんど「入場料○,○○○円(別途ドリンク代〇〇〇円)」となっていますよね。
ドリンク代を書いてくれているバンドもあれば、「ドリンク代別途」だけしか書いていないバンドもあります。
そこで、この記事では
- ドリンク代っていくらぐらいなの?の疑問に答え
- ドリンク代とは切っても切れない注文システム 2オーダー制 3オーダー制の説明
そして、
- そもそも、なんでライブハウスは「ドリンク代」を取るのか
他、多少のおまけ情報を書いていきます。どうぞご覧ください。
ライブハウスのドリンク代って この位の値段です
結論を先に言ってしまうと、ライブハウスのドリンク代の相場は「だいたい1杯500円」というところです。
これは、
- ビール、酎ハイなどの酒類や
- ジンジャーエール・ウーロン茶・オレンジジュースなどのソフトドリンク
でも同じ値段です。
それから、ドリンク代はキリのいい値段ですが、ほとんどのライブハウスでは税込みの値段になります。
ただ、2017年の6月あたりから、ドリンク代を1杯600円~700円位に値上げするライブハウスが増えてきました。
「何でだろうな~?」と調べていて、管理人は最初「酒税法の改正で税率が上がったから値上がりしたのかな」と思っていたのです。
が、実際税率を見るとむしろ下がっている(税額が安くなっている)。
よくよく調べてみると、どうやら
- ビールへのお酒メーカーからのリベートに対する国からの規制が強化された
- なので酒屋さんがビールを安く売れなくなった
- というわけでビールの値段が上がった
と言うのが原因のようです(後で詳しくわかりやすく話します)。なので、
- ライブハウスのドリンクで1番売れているのはビール
- ビールの値段が上がったのでドリンク代上げさせて下さい~
というのがライブハウスの”言い分”かと思われます。
それでは、ここで「リベートとは何?」という話をしましょう。
「リベート」とは、お酒のメーカーからお店に支払われていた”販売奨励金”の事です。もっとぶっちゃけた言い方をすると、
「販売店の皆様~お世話になっております~。ウチ(メーカー)からお金出しますんで、ガンガンビール売ってくださいね~!」
という名目のお金です。
ビールの値段が上がった仕組みを簡単に言うと、こんな感じですかね↓
- ビールは「スーパー」「ディスカウントストア」「酒屋さん」(以下お店と言います)にとって”看板商品”
- 「お店」はビールを安く売ることで、他の商品(他の酒類、おつまみなど)を更に買ってもらえるのでウレシイ
- お酒のメーカーも自社のビールがたくさん売れるとウレシイ
- そこでお酒のメーカーが「お店」にリベートを払って「安くしてもいいですからガンガン売ってくださいね~!」と言っていた
- お店はメーカーから「リベート」をもらえていた事で、かなり安売りしても収益があげられていた
- しかし、国がリベートへの規制を強めた。なのでメーカーが「お店」にリベートを払いにくくなった
- 結果「お店」は収益を得るためビールの値段をあげなくてはならない状況になった
う~ん…これでも難しいかもしれないですね。管理人も整理しながら書くのに苦労しました。でもこれ以上は簡単に書けないかな。と。
なので、さっきも言った通り、ライブハウスの方としては、
「ビールの値段が上がったので、ドリンク代上げさせて下さい~。」
と、言うところなんではないかと。
でも、ライブハウスのドリンク代は「ビール以外の酒類」でも「ソフトドリンク」でも同じなので、
「なんでソフトドリンクの値段まで上げるの?」
と言うところは、ちょっと納得できない部分ではありますが、向こうも商売ですから仕方ないんでしょうね。
小さいライブハウスなんかは下手すると家族経営している所もありますしね。ギリギリのところで営業できているライブハウスも多いと思われます。
そうそう、それから、ごく一部のライブハウスですが1杯1,000円以上ドリンク代を取る所もあるようです。
観に行きたいバンドのライブ告知で「ドリンク代別途」としか書かれていなくて、値段が書いていないようなら、ライブハウスに聞いてみた方が良いかもしれません。
バンドがtwitterなどのSNSをやっているのなら、バンドに聞くというテもありますね。
見逃しちゃいけない2オーダー制 3オーダー制
時々ですがバンドのライブ告知に、
- 2オーダー制とか
- 3オーダー制とか
書かれている場合があります。これは何の意味かというと。入場料とは別に
- 2オーダー制ならドリンク代2杯分
- 3オーダー制ならドリンク代3杯分
の料金を取られると言う事です。
2オーダー制の場合
ドリンク代が500円なら | ドリンク代が600円なら | ドリンク代が700円なら |
---|---|---|
2杯で1,000円 | 2杯で1,200円 | 2杯で1,400円 |
3オーダー制の場合
ドリンク代が500円なら | ドリンク代が600円なら | ドリンク代が700円なら |
---|---|---|
3杯で1,500円 | 3杯で1,800円 | 3杯で2,100円 |
となります。複数のバンドが出演し、長時間になるライブに多い注文の形です。
バンドのライブ告知に「2オーダー制」「3オーダー制」とか書かれていたら、ドリンク代2杯分、3杯分のお金を持っていきましょう。
尚、ドリンク代は入場口での前払い制なので、払わなかったら入場できません。覚えておいてください。
ライブハウスがドリンク代を取るやむにやまれぬ理由
さて、ここからは、「なぜ、ライブハウスがドリンク代を取るのか」について説明していきます。
「入場料きちんと払っているのに、さらにドリンク代まで取るなんて!別にドリンクなんてなくてもいいのに、儲けたいだけなんじゃないの。ひどくない?」
とか思いますよね。普通は。
確かに「儲けたい」という思いもライブハウスにはあると思います、でも、それよりも深い理由があったりするんです。それは
「ライブハウスを営業できるかできないか。」
という、根本的な部分に関わってくる理由です。
ライブハウスがドリンク代を取る理由…、それは多くのライブハウスが開店するときに「飲食店」として許可を取っているからなんです。
ひっくり返して言うと「飲食店」として許可を取って、やっと開店できているライブハウスが大部分を占めている。と言う事なんですね。
それでは、ここからは、なぜ多くのライブハウスが「飲食店」として許可を取っているのかを説明します。
ライブハウスを開店させるには、大きく分けて2つの許可の取り方があります。
- 1つ目は、演奏を見せる場所として「興行場営業許可」を取る方法
- 2つ目は、お客さん、出演者も含めて入場した全員が「飲食」する「特定遊興飲食店許可」と「飲食店許可」を取る方法
参考までに
- 「特定遊興飲食店許可」はライブハウスのある場所を管轄している警察署が申請の窓口で、
- 「興行場営業許可」と「飲食店許可」ライブハウスのある場所を管轄している保健所が申請の窓口
になります。
その他に「風営法」とか「消防法」なんかも絡んでくるんですが、話が思いっきり横道にそれるので、はしょります。
話を戻して、1つ目の、
演奏を見せる場所として「興行場営業許可」を取る方法なんですが、これがものすごくハードルが高いんです。なかなか許可が下りない。
許可が下りる条件の1つとして、「ライブハウスの広さ(床面積)」があるんですが、これがなかなかクリアできないんです。
多くのライブハウスって、ビルの中にテナントとして入っていますよね。なのでそうそう広いライブハウスは作れません。
かといって、ライブハウス用にわざわざ建物を建てて、潰れる危機におびえながら営業したくはないわけです。営業する側としては。
そこで、多くのライブハウスでは、許可のおりやすい、2つ目の
- お客さん、出演者も含めて入場した全員が「飲食」する「特定遊興飲食店許可」と「飲食店許可」
で許可を取って、
「ウチは飲食店ですよ~。ライブはあくまで楽しく”飲食してもらう”ためのオプション。演奏もお客さんたちが勝手にやっているだけですよ~。」
という形で営業しているわけです。なので、
「何が何でもお客さんや出演者全員に飲食してもらわなくてはならない」
という事で、ドリンク代を取っているんですね。
「ライブハウスがドリンク代をなぜ取るのか?」を調べてこの事が分かった時、私は、
「ああ、そうか…。仕方のない事なんだなぁ。」
と納得しました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
- ライブハウスのドリンク代の相場
- 2オーダー制などの特殊なドリンク代注文方法
- ライブハウスがドリンク代を取るやむにやまれぬ理由
等について説明してきました。
管理人も車が全然必要ない都会から、車が必須の田舎に引っ越してからは、ライブハウスに行くにも車で行きます。
当然、酒類は飲めませんので、ライブハウスではソフトドリンクを頼むことになります。
正直「これに500円も払うのか~…」って思う事はあります。スーパーで買ったら200円でおつりが来るものですしね。
都会に住んでいたときは電車でライブハウスに行けていて、ドリンクは迷わずビールを頼んでましたから、あんまり感じなかったんですが、
ソフトドリンクを頼まなくてなならない今の状況では「ちょっと損した感」はやっぱりあります。
でも、まぁ、応援しているアーティストを見に行っているわけだし、応援代と思えばいいかな。と自分を納得させています。
ドリンク代、確かに高いですが、温かい目で見て行きましょう。
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