メイナード・ファーガソン
現在40代の管理人が高校の吹奏楽部時代に聞いていたジャズトランぺッターの1人です。
ぶっちゃけいいますと、当時の管理人、かなりの“ジャズアレルギー”でジャズも、ジャズを聴いている人も嫌いで
「うぇぇぇぇ…」
って思ってたんですね。その時聴いていたジャズとは後に調べて分かったんですが
ビ・バップ
と呼ばれるもので、当時の管理人にはただ難解な音楽にしか聞こえませんでした。そして
「トランペット吹いてるのにこの良さが分からないの?ハァ~…(軽蔑の感情を込めたため息)。」
としたり顔で言ってくるジャズマニア(のオッサン)達が嫌いで嫌いで、本当にジャズは勘弁!って思ってました。
そんな当時、管理人を虜にしていたトランペットの曲が「アメリカ横断ウルトラクイズ」で流れてたテーマ曲。
- 分かりやすいカッコいいメロディ
- 軽快なリズム
- 聴いてしびれるトランペットのハイノート
「カッコいい曲だなぁ~♪」と思って聞いていました。
たまたま一緒にテレビを見ていた叔父に
と聞いたら、
そこからです。「この曲、誰が吹いてるんだ?」と私のプレーヤー探しが始まったのは。
音楽に詳しそうな友人に手当たり次第に聞きました。そしてやっと知ったのです。
ジャズトランぺッター メイナード・ファーガソンの名前を。
「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲の入ったLPレコードも買いました。聴きました。
アルバム1枚聴き終えて、アルバム全体も聴きやすかったですが、やっぱり「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲が抜きんでてカッコよかった。
何度も繰り返し聴いてしまいました♪
「これがジャズというのなら全然アリ!」
それから、メイナード・ファーガソンは私のトランペットヒーローの1人になったのです。
そんな管理人を虜にしたメイナードファーガソンの魅力とは? 紹介していきたいと思います。
メイナードファーガソンの魅力とは
メイナード・ファーガソンの最大の魅力と言えばやはりハイノート。
メイナード・ファーガソンにとってHi-C(inB♭)など、重低音。
Hi-G(inB♭)からダブルHi領域のハイノートになって初めて本領が発揮されるという感じですね。
ちなみに、「アメリカ横断ウルトラクイズ」で有名な”スタートレックのテーマ”では、最後の最後でトリプルHi-C(inB♭)を出しています。機会があったら聴いてみてください。
以前からニコニコ動画やYouTubeにあがってる「【初音ミク】高音厨音域テスト」。メイナード・ファーガソンが存命ならば余裕でこなしていたでしょう。
(2006年にすでに他界しております。残念…)
但し、世界にトランぺッターは星の数ほどいます。単にハイノートが出るというだけなら、メイナード・ファーガソンに匹敵、あるいは凌駕するトランぺッターだっているでしょう。
では、なぜ、メイナード・ファーガソン=ハイノートなのか?
ここからは、管理人の主観になりますが、メイナード・ファーガソンのハイノートは
- 太い
- ふくよか
- 歌っている
という3点が、聴衆を魅了しているからだと思われます。
特にダブルHi領域になると分かりやすいのですが、多くのトランぺッターの音色は音がキンキンしていて耳障りなんです。
対してメイナード・ファーガソンのハイノートはふくよかで温かみがあり聴いてて心地よい。
この音色だけは他のトランぺッターが追随できないところですね。
また、ハイノート領域でのトランペットでの歌い方が上手い。というのもメイナード・ファーガソンの魅力です。
本で読んだことがあるのですが、エリック宮城氏が、メイナード・ファーガソンにどんな音楽を参考にしているか聞いたところ、
- 高音のヴァイオリン
- オペラのソプラノ
をよく聞いていると答えたそうです。こういうのを聴いていることで、歌心を磨いていたという事ですね。
ジャズビギナーでも馴染みやすいファーガソンサウンド
メイナードファーガソンのLPは高校時代大分買いあさりました。その理由は「聴きやすかった」というものです。
いい意味で「ジャズジャズしてる」曲は少なく、分かりやすい曲が多いですね。
メイナード・ファーガソン自身はカナダの出身なんですが、メイナード・ファーガソンのサウンドは
「アメリカのドラマのテーマにでも使われそうなインストゥルメンタル(歌の入らない曲)」
が多いような印象を受けました。
かといって、ビッグバンドや”スイングしている”曲がないかというわけでもなく、そういう曲もしっかりやってるんですね。
管理人的には「NewVintage」収録のAIRJINが好きですね。かなりテンポの速いスイングなんですが、あの疾走感がたまりません♪
また、ジャズの枠に関わらず、映画音楽、ポップス、ドラマの曲も良くカバーしているので、とっつきやすい印象はありますね。詳しくは次の章で書きます。
さて、ジャズビギナーにとっては馴染みやすいメイナード・ファーガソンのサウンドなんですが、1部のコアなジャズマニアからは
「メイナード・ファーガソンのサウンドはジャズではないし、メイナード・ファーガソンはジャズトランぺッターではない。」
とも言われているようです。
が、
管理人は、メイナード・ファーガソンは立派なジャズトランぺッターだと思っています。
高校時代の音楽鑑賞歴が少なかった時なら言い返せなかったかもしれませんが、年も食ったおかげで、音楽も結構聴いていますので、
「ジャズって、もっと自由なものでしょう。そんな視野の狭いとらえ方しなくてもいいんじゃないですか。」
ぐらいは言い返せるようになりましたので。
実際、メイナード・ファーガソン追悼コンサートには、多くのジャズメンが集まりましたしね。
日本人にもなじみ深いメイナードファーガソンの曲
メイナード・ファーガソンを知らなくても、メイナード・ファーガソンの曲を耳にしている人は多いはずです。
代表的なものをあげていきましょう。
曲名 | 使用された番組・入場曲 |
---|---|
スタートレックのテーマ | アメリカ横断ウルトラクイズのテーマ曲 |
HOLLYWOOD | 高校生クイズのテーマ曲 |
征服者・Conquistador | 具志堅用高入場テーマ |
管理人、上に挙げた3曲の中では「HOLLYWOOD」が一番好きです。
- HOLLYWOODというだけに、アメリカ西海岸を思わせるさわやかなサウンド
- デビッド・サンボーンの軽快なサックスソロ(但し、ジャズ慣れしていない人にはちょっと長く感じるかも)
- そして超絶カッコいい終わり方(管理人はこのエンディングを聴くたび涙してしまいます)
また、日本人におなじみの曲をカバーもしています。
ロッキーのテーマ
映画「ROCKY」のテーマ曲。元々の作曲者はビル・コンティですが、メイナード・ファーガソンも独自のアレンジでやっています。
管理人はビル・コンティの曲より先にメイナード・ファーガソンの方をテレビで耳にしていました。
そして、中学の吹奏楽部時代、ロッキーのテーマをやることになり、楽譜がビル・コンティのアレンジをもとにしたものだったため、
「あれ…管理人の知ってるロッキーのテーマと違う…」
と戸惑いながら吹いた思い出があります(笑)
スターウォーズのテーマ
この曲が入っていたという理由でアルバム「NewVintage」を買いました。ミーハーだなぁ…俺。
さすがに、ジョン・ウイリアムズのフルオーケストラの様な迫力はありませんが、疾走感があり、
「ま、これはこれでアリかな~」
と思わせるアレンジです。ホーンセクションとメイナード・ファーガソンのソロの掛け合いが気持ちいいですね。
スーパーマン(テレビ版)のテーマ
ビルチェイスとの共演をした曲。実は管理人、これの原曲を聴いたことはないのですが、ファンキーなアレンジに、メイナード・ファーガソンのハイノートが気持ちいいです。
マリア(映画サウンド・オブ・ミュージックより)
メイナード・ファーガソンの高音と歌心、両方が堪能できる曲です。中盤の中音域を使ったパートでは豊かな音色で歌い上げ、後半はハイノートをビュンビュン聴かせてくれます。
明日にかける橋(サイモン&ガーファンクル)
メイナード・ファーガソンが、珍しく最初から最後までトランペットを吹いている曲です。
普段は中音パートなどはメイナード・ファーガソンのバックバンドである「MFホーンズ」に任せ、おいしい所だけ吹くことが多いんですが、この曲では
- 前半のしっとりしたメロディから
- 後半のハイノートビュンビュンまで
吹きっぱなしです。この曲もメイナード・ファーガソンの歌心が味わえる1曲ですね。
Don’t Stop ‘Til You Get Enough(マイケル・ジャクソン)
この曲は原曲のアレンジをかなり尊重しているカバーです。もちろん、メロディーの部分はメイナード・ファーガソンがやっています。
最後で出す、ダブルHi-D♭(inB♭)が聴いてて気持ちいいです。
最後に
いかがでしたでしょうか。メイナード・ファーガソンの魅力について書いてきました。
最後に、メイナード・ファーガソンの使っていたトランペットにまつわるエピソードを1つ。
メイナード・ファーガソンの使っていたトランペットで有名なのは、アメリカのホルトン社製のST302~ST307までのいわゆる
メイナード・ファーガソンモデル
と呼ばれるものなんですが、このトランペット、かなりプレーヤーを選ぶ楽器として知られています。
アマチュアではまず吹きこなせません。管理人もたまたま某楽器店で見かけ試奏させてもらいましたが、店主さんから
「買おうと思ってるのなら勧めないよ。(日本の)プロでも吹きこなせる人は少ないと思うから。」
と言われて、同じホルトン社のスタンダードモデルT101を勧められて買ったという思い出があります。
ホルトン社のT101とはどういうトランペットか?詳しくはコチラをご覧ください。
⇒ホルトントランペットT101!現役オーナーが語る特徴4つ
実際、名前は忘れましたが、プロのビッグバンドが、ファーガソンモデルで1ステージ吹いたら、バテてしまって翌日から、T101で吹くようになったという話を聞いたことがあります。
メイナード・ファーガソン。やっぱり並の人ではないんですね。
2006年に他界したことは先にも述べましたが、もうちょっと生きていてくれれば、来日する予定だったんですよね。
非常に悔やまれます…。
いっぺん、生の音を聴いてみたかったです。
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