今、この記事を読んでくださっているトランペット吹きのあなた!楽譜読めますか?
トランペットは単音楽器、ピアノやギターのように和音が出せません。 3和音のフレーズは3人いないと吹けません。
ということは、コードネームのような記号は使わないということですね。
なので吹奏楽、オーケストラはもちろんの事、ジャズのビッグバンドやロックホーンセクションでも、必ず楽譜を読むスキルが必要です。
特にロックなんかではギター、ベース、ピアノの楽譜はコードしか書いてなかったりして、フレーズはプレーヤーにお任せの事も多いんですが、
ホーンセクション(管楽器)やストリングス(弦楽器)はきっちりと
“こういうフレーズでやって下さい!”
と楽譜で指定されることがほとんど。
管楽器吹きは楽譜読みから逃れられない!
そう、管楽器吹きは絶対に楽譜読みから逃れられないんです!でも…あなたの周りに楽譜の読み方教えてくれる人っていますか?
私はいませんでした。中学校の吹奏楽部時代は、まるっきり読めなくて、先輩の吹いているのを真似して適当に吹いていた気がします。
これでコンクールにも出てたんですから、今考えると、恐ろしい事やってましたね。高校でも、耳コピでなんとかしのいでました。
楽譜の読み方を真剣に勉強したのは、音楽の専門学校行ってからです。授業の中にバンド演奏があって、初見で演奏出来るスキルが必要になったので。
楽譜の読み方のコツとは
楽譜が渡されると、つい、真っ先に、音符をさらってしまいがちですが、それではいつまでたっても楽譜が読めるようになりません。
楽譜を読むには順番があるんです。その順番とは
- まずその楽譜がトランペット用のものか確認する
- 進行を把握する
- キー(調号の事。ハ,ニ,ホ,ヘ,ト,イ,ロ,変,嬰,長調,短調)を確認する
- 次に初めて音符をさらう
この4段階。
ちなみに私がやっていることは、吹奏楽の場合だと
- 楽譜にTP等のパート名が書いてあるか確認する
- 進行を示す記号に赤ペンでマル印をつける
- キー(調号)にシャープペンシルでマル印をつける
- 合奏まで時間があったら難しそうなところをさらう
の順番です。最悪時間がなくても、進行とキー(調号)さえわかれば、楽譜を見失うことはありません。
それでは次の章から詳しく説明していきましょう。
実際に楽譜を読んでみる
1,進行を把握する
そもそも何故進行を示す記号があるかといえば、
- 紙のムダを抑えるということ
- 進行記号がないと楽譜のページ数がかさんで煩わしい
- 進行記号を使わずに同じフレーズを何度も繰り返すと演奏がダレる
という目的があります。
慣れないうちは進行記号がない楽譜でやりたいって思うんですが、慣れると楽譜のページめくるのが面倒になるんですよね。
もっとも進行記号だらけの楽譜も目が回って嫌になりますが^^ゞ
それでは進行記号をかいつまんで紹介していきましょう。
(画像の左下に何小節目に進むか小節番号を書いているので、参考にしてください)
リピート記号
進行記号のいちばん基本ですね。この記号で囲った小節間を2回繰り返すというもの。
1カッコ、2カッコ
リピート記号とセットで使われることが多いですね。1回目1カッコへ行き、2回目は2カッコ。
ダ・カーポ(D.C)
Fine(フィーネ)と一緒に使われますね。D.Cから曲の一番先頭へ戻り、Fineで終わり。
ダル・セーニョ(D.S)
これもFine(フィーネ)と一緒に使われますね。D.Sから、セーニョマークのところへ戻り、Fineで終わり。
ちなみにダル・セーニョ後のリピート記号は演奏しません。演奏する場合は「D.S to Repeat」と書かれます。
コーダ(Coda)
ダ・カーポやダルセーニョでカバーしきれない進行のためにある記号、「to coda」からコーダマークへ飛びます。
2、キー(調)を把握する
音階には12の長調と、12の短調があります。それを見分けるのが調号と呼ばれるものなのですが、
これが、慣れないうちは、覚えるのがとても大変なのですね。#や♭が2個くらいなら何とかなるんですが、
4個5個6個…となっていくと、「どの音に#や♭がついているんだ?!」とイライラしてきますよね。
それなので、ここは、ある法則に従って覚えていくとしましょう。その法則とは、まず長調から説明します。
下の図を見てもらえればわかるのですが、ドレミファソラシドのうち
- ミとファの間が短2度(半音)
- シとドの間が短2度(半音)
で残りの音は長2度で動いてるんですね。もしわからなかったら、下の鍵盤の画像を見てください。
- ドとレ
- レとミ
- ファとソ
- ソとラ
- ラとシ
の白鍵の間には黒鍵がありますよね。この黒鍵をまたいで行く2度の音程は長2度(全音)と言います。に対して、
- ミとファ
- シとド
の白鍵の間には黒鍵がありません。なぜか? ミとファ、シとドの間は半音なので、黒鍵のもぐりこむすき間がないからです。これを短2度(半音)といいます。
チャンスがあったら、学校のピアノで、弾いてみるといいですね、指一本で弾いていいんです。それから、ゆっくり考えながらでいいんです。
いちばん基本のハ長調を練習して、響きを覚えたら、そこから徐々に#なり♭なりを増やした音階を練習していけばいいですよ。
音階を用意しましたので、下の図に沿ってやってみてください、まずは長調から。余談ですが長調の事を
- 英語ではMajor(メジャー)といい
- ドイツ語ではdur(ドウア)といいます
でも、英語音階ではMajor(メジャー)は言わないことの方が多いですね。
#系の長調
♭系の長調
続いて短調の音階。こちらもチャンスがあったら音楽室のピアノでやってみてください。最初にハ長調を弾いて、次に6番目の音「イ(ラの音)」からスタートしてください。
長調に比べて、なんとなく暗い響きの音階になりませんか? これが短調です。図の音が短2度になります。
- 英語ではMinor(マイナー)といい
- ドイツ語ではmoll(モール)といいます
#系の短音階
♭系の短音階
これを覚えるまで練習してみてください。音感のいい人はある2つの法則に気が付くと思います。
ここで書こうと思いましたが、混乱すると思われるので、あえて書きません。わかった方はコメント頂けたらと思いますm(_ _)m
ヒントは
- 調号の#と♭がどういう法則でならんでいるか
- 同じ調号の長音階と短音階にどういう関係があるか
です。
3、音符をさらう
これは、私自身もそう思いましたし、ミュージシャンの方にも聞きましたが同じ答えが返ってきました。
「数こなすしかない。数稽古だ。」
これは本当にそう思います、より多くの楽譜を読んで、慣れるしかありません。管理人もお恥ずかしい話ながら、スイングジャズの楽譜はいまだに読むのに苦労します。
吹奏楽譜は、だいたい初見でいけますが、16分音符だらけのものになるとちょっと苦戦しますね。
あと、時間があったら、お勧めしたいのが“楽譜を書き写す”こと。これをやるとかなり楽譜に強くなれます。
管理人は、書き写したのではないですが、作曲、編曲をやっていて、山ほど楽譜を書かなくちゃならない時期があったんですね。
それで音符に強くなりました♪
最後に
いかがでしたでしょうか、トランペットの楽譜の読み方について書きました。
といっても、基本はどの楽器でも同じなので、普通の楽譜の読み方になってしまいましたが。
今回は一番ポピュラーなB(ベー)管を頭に置いて書きました。
吹奏楽やジャズだと、B♭(ドイツ語読みB・ベー)に移調した楽譜が渡されるので楽なんですが、
ロックだと、編曲者がピアニストだったりして、Cのまんまの楽譜を渡されることもたびたびです。
ピアノのドレミファソラシドに瞬時に移調しながら吹かなければならないのでしんどいです。
特にB(ベー)管トランペットですが、その気になれば、活躍の場がたくさんあります。
吹奏楽に慣れてきたら、幅広いジャンルの音楽やってほしいですね。
その時に、この記事が少しでも役に立てればと思っています。
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