出だしから、管理人の私事で申し訳ないんですが…、実は管理人、中高の吹奏楽部時代
楽譜を読むのがめっちゃ苦手でした!
吹奏楽部の先輩や仲間で初見(楽譜を見るなりいきなり吹ける事)をできた人は神。尊敬してました。
管理人なんぞは、初見はもちろん、何度も読んでも読めなくて、でも、幸い耳コピだけはできたので、レコードなどの音源があればそれを聴いて、楽譜は見ずに演奏していた覚えがあります。
で、今はどうかというと、初見が苦手なのは相変わらずですが、読むこと自体はできるようになりました。
音楽の専門学校在学中に、
- 演奏の授業があり、その時に初見を求められたのと
- 山ほど楽譜の読み書きをさせられたおかげです
その時に、
なぜ中高生吹奏楽部時代、楽譜を読むのが苦手だったのか?
を突き詰めて考えました。その結果行きついた結論が、
リズムをきちんと読み取れなかったからだ!
というもの。そこで、
- リズムが読み取れなかった原因
- どうすれば克服できるのか
を、専門学校でトランペットの先生や音楽理論の先生から教わったことも交えて、私なりに分析してみましたので、参考にしていただければと思います。
16分音符とシンコペーションが難しさの元凶
リズムを読み取るのを難しくしているのは、もちろんその他にも原因はありますが、真っ先に思いつくのが
- 16分音符
- シンコペーション
の2つですね。
16分音符の楽譜例
シンコペーションの楽譜例
管理人もそうなんですが、この記事をご覧のあなたも、16分音符というと、
- 細かい
- 速い
よって読むのが難しいというイメージを持っているのではないでしょうか。
メトロノーム無しで読むととかく「グシャグシャ~♪」と読みがちです。
そして、もう一つ、シンコペーション。表拍から始まるフレーズではなく、
裏拍から始まるフレーズなので苦手意識を持ってしまいがちですよね。
本当に表拍から始まるフレーズばかりだったらどれだけ楽譜を読むのが楽か…。と思ってしまいます。
でも、逃げられないんですよね。16分音符とシンコペーションからは。第一この2つがないとフレーズに面白みがないですから。
なので次の章からは、
- 16分音符
- シンコペーション
の攻略法を書いていきたいと思います。
16分音符の攻略法
16分音符と聞いて持つ印象は
- 細かい
- 速い
ですよね。それで、構えてしまって、「グシャグシャ~♪」と吹きがちです。
ですが、この16分音符には攻略法があります。この方法を使えば、16分音符が思ったよりも細かくない、速くないことに気付くはずです。
それでは早速行ってみましょう。
16分音符というと単純に言って、
4分音符を
4分割したものですよね。
ひっくり返して言えば、16分音符を4つ集めたものが
4分音符。
この4分音符を16分音符で歌ったのが下の譜例です。
そう、つまり、16分音符に分解して拍を取って演奏すればいいわけです。
8分音符なら、
このように、
この音符なら、
このように、
付点8分音符も16分音符に分解すれば、
このようになります、
こちらも付点8分音符、
このように16分音符に分解すれば、
いいのです。
慣れて来たらこんなのも、
16分音符に分解してやってみてください。
論より証拠、実際にやってみると、16分音符が思ったより、とっつきやすい音符だということに気付けるはずです。
シンコペーションの攻略法
管理人の経験ですが、中高の吹奏楽部時代、確かに楽譜は読めませんでした。そして、読めない原因を分析してみると、
「表拍で始まるリズムはなんとかついていけたが、裏拍から始まるリズムになると『???』になってしまった。」
というのがあります。
代表的なのがシンコペーションですね。下の譜例の2小節目みたいなやつです。
「タンタンタタタタタタータ…タ?タ? エ!エ!ナニ! 読めない!」
という具合に。
さて、シンコペーションの攻略法なんですが、これは少々忍耐がいります。
管理人も今でこそ、この練習を楽しんでやっていますが、最初不慣れな頃ははっきり言って“地獄”でした。
その練習とは?コレです。
裏拍を感じながら、ひたすら「タタータータータータータータータ」とやり続けるこの練習。慣れないうちは、いつの間にか表拍と裏拍の区別がつかなくなったりして、かなり”イラッ”とくる練習です。
コツとしては、下の譜例が参考になるでしょう。8分音符に分解し、タイの部分も歌うつもりでやるのが練習のキモです。
もし、どうしても出来なかったら、8分音符の裏打ちからとりかかりましょう。裏拍を感じる訓練です。
「ンタ ンタ ンタ ンタ ンタ ンタ ンタ ンタ」と表拍の休符を“ン”ときちんと歌うのが攻略のコツです。
慣れて来たら再びシンコペーションの譜面へトライ!です。
最初はなかなかできませんが、できないからと言ってあきらめないでください。確かに”イラッ”と来る練習ですが、マスターすると新しいリズムの世界が見えてきます
最初はメトロノーム無しでかみしめるようにゆっくりと。慣れたらメトロノームを使ってやってみてください。
16分音符 シンコペーションに共通する練習法
今まで、16分音符とシンコペーションの克服法を書いてきました。最後の仕上げとして、この練習法をお勧めします。それは
「楽譜をもって歌う事」です。しかもできるだけおおらかに。
楽器を手に取って“演奏する”前に、実際に自分の声で歌ってみる。
- ラ~ラ~ララ~でも
- ア~ア~アア~でも
- フ~フ~フフ~ンでも
構いません。しっかりと歌ってみる。気を付けることは、できる限りでいいので、音程とリズムを正確にとること。
メトロノームを使うに越したことはありませんが、この練習でメトロノームを使うのはたぶんキツイと思います。
なので、心の中で、拍を取ってください。
歌えるようになったら、楽器をもって練習です。基本的に歌える楽譜は楽器をもってもスムーズに演奏できるはずです。
試しにやってみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。リズムを読み取るコツとして、まず最初に引っかかる、16分音符とシンコペーションについて書いてきました。
その他にも、
- 32分音符(装飾音符でよく使われる)
- 3連符
- 6連符
など、他にも課題はあるのですが、16分音符とシンコペーションをマスターして、大元のリズムさえ外さないようにすれば、後は応用ですので、何とかなるものです。
- 演奏のクォリティをあげていくには、演奏を練習する時間を少しでも多くとりたい
- そのためには、一番の無駄な時間となる”楽譜を読む時間”を少しでも削りたい
- 楽譜を読む時間の短縮にはリズムを読み取るスキルが有効
楽譜を読む。リズムを読み取るというロスタイムを少しでも減らし、いかに演奏に時間を割けるかが、クォリティの高い演奏につながる。と言っても過言ではないと思います。
でも、多くの吹奏楽の現場では、楽譜を読むことに多くの時間を割かれています。
ウチの地元の中高の定期演奏会に時々行きますが、コンクール課題曲・自由曲以外は本当にいい加減に演奏してますね(汗)
コンクール課題曲・自由曲は楽譜を間違えて演奏していた時点で”アウト”なので、じっくり時間をかけて楽譜を読み、練習しているんでしょうが、
他の曲は、管理人の知らない曲でも「あ、ここ、リズム読み間違えてるな。」というのが分かる瞬間があります。
- 他の楽器のカラミとか
- 決めフレーズのズレとか
- 管楽器セクションと打楽器セクションのちぐはぐさなどから
わかります。
「ああ…、きっと楽譜を読む時間、リズムを読み解く時間が取れなかったんだね…。」と心の中で、慰めてあげるのですが。
また、教えてくれる人もいないのでしょう。常々、
「もったいないな~。きちんとした情報さえあればこんなことにはならないのに…」
と思っていますので、その思いと、管理人の中高吹奏楽部時代の苦い思い出と、音楽専門学校時代の経験から書かせていただきました。
これを読んでいただき、少しでもお役に立てれば幸いです。
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