「あ~あ! もっともっと高い音が出せるようになりたいな~」
某高校3年生吹奏楽部所属、トランペットパートのJ君はつぶやいていた。
もともと高い音は得意な方で、Hi-C(inB♭)までは曲の中でも余裕で使えるレベル。
Hi-C(inB♭)
好きなトランぺッターは、メイナードファーガソンとエリック宮城。
- メイナードファーガソンのように
- エリック宮城のように
もっともっと高い音をビュンビュン鳴らせるようになりたい!
「どうやったら、どんな練習したら、もっともっと高い音を鳴らせるのかな…」
今日もJ君の試行錯誤は続くのであった。
…と、物語風に始めてみましたが、J君の様な悩みをもっている方も多いんじゃないでしょうか。
トランペットの高い音は出せれば出せるほど、病みつきになり、
「もっと高くもっと高く!」
と思いますもんね。
そんな悩めるトランペット吹きのために用意しました!「高い音を出すためのメソッド」
管理人、過去にプロのトランペット吹きを目指していたことがありました。でも、どうすればなれるのか分からない…。
そんな時にたまたまある雑誌で目にした、ジャズ・ロック・ポップスを教えてくれる専門学校の特集広告。
その学校の講師が強力で、講師になる条件というのが“バークリー音大を卒業している事!”
これだ!と思い2年間お世話になることにしました。
その学校には中高の吹奏楽部ではとうてい習えない本格的なメソッドが用意されていたのです。もちろん、トランペットの高い音の出し方のメソッドも。
今回はそのメソッドを紹介したいと思います。参考にしてください。
高い音を出すためのメソッド
まず、このメソッドのやり方を説明します。
1.休符の時も楽器を口から離さないようにしましょう
休符で口を離すと、唇がリセットされてしまい、唇周りの筋肉が鍛えられません。辛いんですがここはジッと我慢です。
2.息は鼻から吸い、一定に出すようにします
唇を楽器から離さず、唇周りの筋肉をホールドするために、息は鼻から吸ってください。そして息を一定に出します。
よく、息を一定に出す様子を「口から長い糸をまっすぐに吐き出すようなイメージで」と言われますが、そのようなイメージで。
3.メトロノームを使用しましょう
メトロノーム無しで、テンポをキープするのは至難の業です。高音を出すことに集中するためにも、テンポキープはメトロノームに任せましょう。
では、これがメソッドです。
Tempo 四分音符=72~60(inB♭)
タンギングはレガートタンギングで息の流れを止めないようにします。
これから先も同様に音質を気にせずにやりましょう。
可能ならもっともっと際限なく上がっていきます。どんなにショボい音になってもいいので、出せる限り上に上がり続けましょう。
途中で音が出なくなっても2小節目までの息は出し切ります。
音が出なくなったら、楽器を一旦口から離し、2~3秒してから、再び出なくなったところから始めてください。
その次にまた音が出なくなったら、今度は2小節目の最後まできちんと息を出し切って終わりです。
メソッドを実行するための注意点
次にこのメソッドをやるにあたって注意することを話していきます。
1.必ず座ってやりましょう
メソッド終了時に頭に血が上り、それが急激に引くことでものすごい立ちくらみがあり、目の前が真っ暗になります。
立ってやると終わった後、かなりの確率で「バタン!」と倒れるので非常に危険です。なので、必ず座ってやりましょう。
2.最低30分はウォームアップをやるよう心がけましょう
はっきり言ってかなりきついメソッドです。ウォームアップをせずにいきなりやると、唇の筋肉がおかしくなり、音が出なくなることがあります。
ウォームアップ例を載せます。そのほか教本の簡単な曲をやるのもいいでしょう。30分はゆっくり唇をほぐしてください。
ウォームアップ例(inB♭)
3.楽器を口から離すときは、必ず一旦息を止め、ゆっくりと離します
間違えても「プハー!」と息を吐きながら離さないでください。アンブシュアが崩れます。
アンブシュアが崩れた状態で、このメソッドをやると、冗談でなく唇をこわしますので、必ず守るようにしてください。
4.楽器を落とさないように注意しましょう
これも立ちくらみするときにやってしまうんですが、体の力が入らず、楽器を落としてしまいます。薄れゆく意識の中でも楽器を持った手はきっちりホールドしましょう。図のようにトランペットスタンドがあればベターです。
5.メソッドを終えたらきちんと休憩を取りましょう
かなりハードなメソッドです。終わったら最低5分(出来れば10分)は休憩を取るようにしてください。きちんと休憩を取るのも練習のうちです。
最後に
いかがでしたでしょうか。トランペットでHi-GまたはダブルHi-Cを出すためのメソッドを紹介しました。
超一流のスタジオミュージシャン数原晋さんが、管理人が昔見た管楽器雑誌でこのようなことをおっしゃっていた記憶があります。
「高い音は急には出せるようにはならない、半年で半音伸ばせれば上出来」と。
本当にその通りだと思います。あるところまでは出せるんですが、そこに壁のようなものがあるんですよね。
- 急に音が痩せる
- 息がつまって流れなくなる
でも、そんな音でも、気長に付き合って出し続けてやれば、少しづつ音になっていきます。
管理人は現在楽曲で使える音はHi-E(inB♭)です。細い音で出すだけなら、ダブルHi-C(inB♭)までいけます。
Hi-E(inB♭)
使っているマウスピースはヤマハ14B4 NEE(中川モデル)です。
管理人もこのメソッドを使って少しずつと高い音を太く出せるように練習しています。
どうぞ、このメソッド、試してみてください。
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