今や、管楽器で一番人気というと、サックスになりますが、
それまではトランペットが管楽器の一番人気でした。昭和40~50年代の話になりますが、高台や海をバックにトランペットを吹くというシーンがテレビでも良く見かけられたものです。
そのころというと私は子供でしたので、一番印象に残っているのは子供番組で、キカイダー01やジャンボーグAの主人公、立花ナオキがトランペットを吹くシーンでしたね。
ですが、チェッカーズの登場が、管楽器のトレンドを変えます。’80年代当時のチェッカーズの人気はものすごく、歌番組に出ずっぱり、チェッカーズのヒット曲の数々に効果的に入った藤井尚之のサックスは、聞いていた人間を虜にしました。そしてサックスが管楽器の1番人気になったのです。
そのころは私は吹奏楽部でトランペットをやっていましたが、いくらチェッカーズ人気があろうとも、トランペットだってまだまだ! と思っていましたが、新入生の希望楽器はみんなサックス…。あ~あ。と思いながら見てましたね。
でも私が高校生の頃に、トランペット人気が盛り返しました。きっかけは、天空の城ラピュタの公開です。この映画で主人公の少年がトランペットを吹くのですが、その曲を吹けるようになりたい。ということで、吹奏楽部のトランペット希望者が増えました。
その曲とは「鳩と少年」
ありがたいな~と、一方で思いつつも、「鳩と少年」吹きたいかぁ…。と一方で冷めた気持ちで見ていたのも事実です。
Yahoo知恵袋でも、初心者や吹奏楽未経験者が「鳩と少年吹きたいんですが、どうしたら吹けますか?」という質問をちらほら見かけますが、やっぱり冷めた目で見てしまいますね。
なぜか?
次の章以降で、その理由と対策を書いていきたいと思います。
鳩と少年は初心者向けの曲ではない
結論を先に行ってしまうと「鳩と少年」はかなり難易度の高い曲です。理由として、
- 特殊な拍子
- テンポが速い
- 4~5度の音の跳躍が多い
- ミドルAの音が出てくる
等があげられます。詳しく説明すると、
特殊な拍子
拍子が特殊で8分の6拍子。2拍子系の変拍子なのですが、この拍子は1小節に8分音符が6個入ります。拍子の取り方は、付点四分音符で
「1・・2・・1・・2・・」と数えます。
テンポが速い
テンポが付点四分音符=66前後です。8分音符に直すと198前後。初心者でいきなりついていけるテンポではありません。
4~5度の音の跳躍が多い
同じ指使いでの跳躍がちらほら見かけられます。ピストン動かさないでいいから、一見楽なように思えますが、同じ指使いということは、音を外す確率が高いということ。意外に難しいです。
ミドルAの音が出てくる
ミドルAの音、初心者の方は、ミドルGからミドルAの間に壁を感じるはずです。そう、ミドルGとミドルAは同じ指使いなのです。1番ピストン、2番ピストンを押さえることで、両方の音が出ます。なので、音を外しやすいんですね、それとものすごく唇周りが疲れます。
できればこの曲からステップアップしてほしい
本音を言ってしまえば、やっぱり順序立てて、音出しから始め、基礎練習、そして簡単な曲と行ってほしいところです。
トランペットは、まず、音を出すのが難しい楽器。音を出すのを苦痛に感じて、せっかくトランペットを買ったのに、鳩と少年どころか、曲一つ満足にできずに投げ出してしまう…。そういう悲しい事態にならないためにも。
実際管理人もそういう人を何人も見てきましたので。
そこでなんですが、初心者向けの曲ということで、「聖者の行進」をオススメしたいと思います。この曲のいいところは、何といっても
- テンポがゆっくり
- 拍子がポピュラーな4分の4拍子
- 音の跳躍が少ない
- 音域が出しやすい長5度に収まっている
ヤマハのホームページでトランペットの吹き方を紹介しています。ここでも聖者の行進(アメリカ民謡と書いてますが聖者の行進ですね)を勧めてますね。
聖者の行進のデモ演奏です。もっともこれはプロがやっているので、参考程度ということで、フェイク、アドリブの部分は聞き流し、メロディだけ追えばいいと思います。
初心者向けの簡単な曲をここでセレクト♪
ここでは、聖者の行進以外の初心者向けの曲をセレクトしてみたいと思います。
きらきら星
4分の4拍子で、最高音もLow”A”(トランペットCのキーで演奏した場合)と音域的にも初心者向き。全部四分音符なので楽譜も読みやすいのが特徴。ルイ・アームストロングが演奏している曲としても有名ですね。
使う音の範囲
カエルの歌
これは、音が出せるようになったら、ぜひ挑戦してみてほしい曲です。これも、楽譜は四分音符、四分休符しか出てこないので、読みやすく、最高音もきらきら星と同じくLow”A”(トランペットCのキーで演奏した場合)。
使う音の範囲
得賞歌
実は管理人が初めて覚えた曲がこれです。4分の4拍子、スローなテンポの曲で演奏しやすいです。音域はちょっと広めのMiddle”C”(トランペットCのキーで演奏した場合)。
使う音の範囲
楽譜を載せたいのはやまやまなのですが、著作権の関係で載せられません(きらきら星は著作権が切れていると言われてますが確認が取れないので)
そのほかこんなのもありますね。トランぺットスタンダード曲集。ルパン三世他、なかなかオイシイ曲目をセレクトしています。
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最後に
「鳩と少年」は初心者には難しいということと、挫折しないトランペットとの付き合い方を書いてきました。くどいようですが、トランペットはまず”音を出す”というのが最大の難関の楽器。曲への道は下手すると、ピアノよりも遠いかもしれません。
でも、一度モノにしてしまえば、はっきり言ってモテます♪ サックスほどではないにしても、モテます。社会人ですと多忙でトランペットの練習にさける時間は限られてくると思います。でも、1年ですね、1年練習すれば「鳩と少年」はマスターできます。
また、参考にしてもらいたいんですが、音が出始めたら、YouTubeで「めちゃモテトランペット」を検索すると、カラオケCDつき楽譜の宣伝用デモ演奏がたくさん出てきます。この中から自分にできそうな曲を探して、練習するのもアリだと思います。
1年コツコツと練習すれば、「めちゃモテトランペット」シリーズでもできるものは、かなり出てくると思いますので。
あなたの頑張りを管理人は応援します。頑張ってくださいね!
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