ホルトントランペットT101
世の中にあまた有るトランペットの種類の一つです。ボアはML。ベル径120㎜。
管理人の2号機トランペットであり、初めて手にした舶来品のトランペットであり、30年間
- ロックホーンセクション
- 吹奏楽
- ジャズ
- 歌謡曲
- 演歌
とつきあってきた盟友でもあります。ですが、ホルトンというメーカー自体が大都市の楽器店でしか扱われなかったために
バックに比べてマイナー
な扱いを受けていたのは事実(バックもトランペットのメーカーです)。私も当時のトランペットの先生に勧められなければ、バックを買っていたでしょう。
でも、そのマイナーなところがいいんです。人と違うことが好きな管理人としては、所有欲を満たされましたね。
それでは次の章から「ホルトントランペットT101」の特徴を説明していきましょう。
ホルトントランペットT101の特徴
特徴1.ホルトントランペットのスタンダードモデルである
ホルトンのトランペットというと通称“メイナードファーガソンモデル”と呼ばれるST302~ST307のシリーズが有名です。
が、この“メイナードファーガソン”モデルは奏者を選びます。
メイナードファーガソンというプレイヤーのために作られたモデルですが、このメイナードファーガソンが、
典型的なガタイのいい欧米人。で稀代のハイノートヒッター。
そのガタイから繰り出すパワフルな高音を出せるようにセッティングされているため、日本人の体格ではパワー不足なんですね。
実際日本のプロのビッグバンドのプレイヤーでも吹きこなせずにホルトントランペットT101に切り替えた人が続出したというのは知る人ぞ知る話です。
(ちなみに管理人もT101を買ったDACというショップの店長だった坂巻さんから「ファーガソンモデルは君では吹きこなせないよ。T101にしといた方がいいよ」と言われた一人です)
ホルトントランペットT101はプロのビッグバンドプレイヤーから、スクールバンドの吹奏楽少年少女まで幅広く受け入れられたスタンダードモデルでした。
特徴2.バックの180MLシリーズのバッタ物と言われがち
ホルトントランペットT101は本当にバックの180MLモデルに見た目が似ています。口の悪い人に言わせると、
「バックの180ML見ながら作ってたんじゃないの?!」
とか(汗)。
実際比べてみると、つば抜き(ウォーターキィ)の形状が違うのと、
ホルトンT101のウォーターキィの画像
通常のウォーターキィの画像(画像はヤマハのトランペットのものですが、バックも同じ構造をしています)
ベルの彫刻が違うくらいで確かに区別がつきません。
おまけに、バック180MLのパーツがホルトントランペットT101にも合うという話も聞いたことがあります。
全部のパーツの確認をしたわけではありませんが、昔、管理人が3番抜差管のネジをなくした時、楽器店に問い合わせたら、
「ホルトントランペットT101の部品の在庫はしてないんですが、バックの180MLのが合うのでご用意しておきますね♪」
という事はありました。
特徴3.肉厚で重い
ホルトントランペットT101は管を構成しているプレートが厚く、ヤマハやバック180MLに比べると気持ち重いです。
管理人も筋肉がついて慣れるまではトランペットを支える左手が痛かったです。
でも、重量が重たいからと言って、響きがダークかというとそうでもなく、どちらかというとバックに比べて明るかった記憶があります。
特徴4.響きが明るい
前の章でも触れましたが、響きは明るかったです。管が肉厚なので抵抗が多いかなとも思ったのですが、そんなこともなく、気持ちよくバリバリ鳴らせました。
音楽の専門学校在学中に2人の先生にトランペットを教わったのですが、
(仮にA先生、B先生としましょう。)
トランペットの選定をしてくれたのはB先生で、トランペットを買った後、A先生にも試し吹きをしてもらって、
「いかにもB先生が好みそうな音だね(笑)」
と言われたのが今でも印象に残っています。B先生はバリバリ鳴らすのが好きな先生でした。
ホルトントランペットというとやっぱりジャズ
ホルトントランペットT101が吹奏楽少年少女に売れたというのはネットでは聞いたことがあるのですが、実際吹奏楽少年少女が持っているところを見たことがありません。
というか、管理人以外でホルトントランペットT101持っているのを見たことがあるのは、管理人もたった一人だけです。バリバリのジャズプレーヤーでした。
某アマチュア吹奏楽団に入団した時も、トランペットの人からT101を持っている管理人を見て、
「あれ?キミ、実はジャズの人なの?」
と聞かれたくらい、ホルトン=ジャズという公式が成り立っているようです。
管理人が、ホルトントランペットT101を手に入れた頃って、インターネットも無かったので、情報もロクになく、
- 楽器の特徴
- 向いているジャンル
なんて言うのも分からず、「(ロック・ジャズ)ホーンセクションをやりたい」と思っていた管理人は、楽器の特性なんかお構いなしにバリバリ鳴らしてました。
ホルトントランペットT101の弱点
ホルトントランペットT101は、特に銀メッキモデルなんですが、メッキがはがれやすいです。
実際管理人のホルトントランペットT101もメッキがところどころはがれて表面はデロデロですし、楽器店の店員さんも言っていました。
メッキのはがれた管の一部
中古のホルトントランペットを買うときには現物確認は必須ですね。ネットオークションでは手を出さない方がいいと思います。
また、個体差が激しいという印象も持ちました。中古のホルトントランペットT101を見つけるたびに試奏をしているのですが、
中には「こんなに鳴らないの!」とびっくりするくらい鳴らないものもありましたから。
前のオーナーの癖ですね。その意味でもホルトントランペットT101は現物確認が必須です。
また、あまり吹いてないと、ウォーターキーが固まって動かなくなってしまいます。
アマド式ウォーターキーの宿命と言いますか、全部金属部品でできていますので、錆びさせてしまうと動かなくなります。
管理人も最近はさっぱり吹かないので、ちょくちょく固まらせています(泣)、固まったらKUREの5-56を吹き付けると直るんですが、サボらず吹くというのが一番いいですね…。
最後に
いかがでしたでしょうか。ホルトントランペットT101の事について書いてきました。
マイナーモデルの宿命か、
ネット検索してもホルトントランペットT101の事ってほとんど出てこないんですよね。
とっくの昔に製造中止になっているモデルであるってこともありますし…。
ライバル(?)のバック180MLはまだ現役で作られてますから、情報がたくさん出てくるんですよね。
ネット検索して見つからないなら、「よし!自分が書いてやろう!」と筆をとった次第です。
- 自分のトランペットから拾ってきた情報
- わずかに残っていたネットから拾ってきた情報
を組み合わせて書きました。
30年前に出会った、初めての舶来品のトランペットがホルトンだった。
その後偶然にも、ホルトンのフリューゲルホルンも手に入れることができ、
ホルトンお揃いでますますホルトンLove(笑)になりました。
ホルトンのフリューゲルホルンってかなりのレアものなんですよね♪
確かに、ホルトントランペットT101は表面はメッキがはがれヘタってしまいましたが、音はまだ響きます。
まだまだ使っていきたいですね^^