某日本最大手の回線業者のネットサポートで働いていたことがあります。
主な仕事はインターネットがつながらなくなったというお客様の声を聞き、原因を確かめ、つなげるようにすること。中には原因がなかなか特定できないような難しい案件もあるんですが、ほとんどの場合、ごくごく簡単な操作で直ります。サポート内でネットをつなげるように叫ばれてたことに、
「よりシンプルな原因から探っていけ。」
というのがありました。実際、つながらない原因はごくごくシンプルな事なのに、それを失念し、パソコンの設定をあちこちいじってしまい、収拾つかなくしてしまって、お客様に平謝りなんてこともありました。その教訓から、この記事をご覧のあなたにも、
「もし、ネットがつながらなくなったら、まずやるシンプルなこと」
を、お知らせし、実行していただきたいと思います。
ネットがつながらない原因の多くは本当に些細な事
ネットにつながらない原因の多くは本当に些細な事です。直すのにもとても簡単な事しか必要としません。
- ONUとルータの誤作動
- LANケーブル関係
- 無線LANのスイッチ切れ(無線LAN使用の場合)
- セキュリティソフトの干渉
・ルーターとはパソコンをインターネットにつなぐ箱
・LANケーブルとはルーターとパソコンをつなぐ線
・無線LANとはインターネットの信号を無線でとばす機能
・セキュリティソフトとはパソコンをコンピューターウィルスから守るソフトの事
こんなもんです。まず、これを見て、それでなおかつ繋がらないというのであれば、いよいよPCの設定なり、プロバイダ、回線業者からの通信が止まっているということを疑う段階になります。
実際に原因例を検証する
ONUとルーター。小さい黒い箱がONU。
大きい白い箱がルーター。一体型もあります。
まず、ONUとルーターの誤作動。よく見られるのが、
- 雷
- 停電
- ONUとルーターを挿してある大元のコンセントを抜いてしまった
です。
この場合、コンセントを抜いて15分くらい待ってから大元のコンセントに近い機器(大概はONUです)から順番にコンセントを挿していきます。
このコンセントを挿す順番が重要で、大元のコンセントから遠い機器(大概ルーターです)からさしてしまうと、ONUがルーターを正しく認識せず、また繋がらないということになるので注意です。
次にLANケーブル関係
- 断線
- 端子の破損
です。端子の破損は本当によく見ないと分からないのでやっかいです。
LANケーブルは断線の場合、ケーブル交換しかないですが、厄介なのは端子の破損の方です。LANケーブルの先端はプラスチックでできていて、それが8本に分かれるよう成形してあるのですが、このうち1本でも破損すると絶縁がうまくいかなくなり、ネットがつながらなくなります。
更に、その破損したかけらがコネクタ側に残ってしまった場合、別のケーブルを用意してコネクタに挿したときに挿せてしまう時があるのがやっかいなんです。ルータ側なら別のコネクタに挿すという手がありますが、パソコン側だとコネクタが1つしかないため、中々気が付かない。
サポート時代に同僚から聞いた話なのですが、LANケーブルの端子の破損に気付かず、パソコンの設定をいじってしまったお客さんから電話が来てLANケーブル周りを確かめるようにアドバイスして、コネクタからLANケーブル端子のかけらが出てきたときは、全身脱力したとか。
無線LANのスイッチ切れ
- 衝撃を受けてスイッチが切れた
パソコン周りの掃除をしていてなんかの拍子にパソコンの無線LANスイッチが切れてしまうというのはよくあることです。これも無線LANスイッチに気付かなかったお客さんがパソコンの設定をいじってしまい、悪戦苦闘したという話を聞いています。
セキュリティソフトの干渉
- セキュリティソフトを切るとつながる場合がある
パソコンにあらかじめインストールされていたセキュリティソフトと違うソフトをインストールしたときに起こりがちな事案で、
あらかじめインストールされていたセキュリティソフトを正しいやり方でアンインストールせずに(本来スタートボタンの「プログラム」のアンインストールからアンインストールするべきものを「コントロールパネル」からアンインストールしてしまった)セキュリティソフトのかけらがパソコンに残ってしまい、それが干渉してネットにつながらなくする。
対処法としては新しくインストールしたセキュリティソフトを一旦”正しく”アンインストールし、あらかじめインストールされていたセキュリティソフトを再度インストール。
今度はスタートボタンの「プログラム」のアンインストールから正しくアンインストールし、PCに残ったプログラムのかけらをきちんと取り除いた後で、新しいセキュリティソフトをインストールする。
これで大抵のネットがつながらない。という問題は解決するはずです。
パソコンやネットに不慣れなら、潔く回線業者、PCメーカーに電話を
この他にも、
- IPアドレス固定
など、ネットをつなぐ方法はあるのですが、パソコンにかかわることですし、もしあなたがパソコンに不慣れなら、下手にいじったりせずに、回線業者、プロバイダ、パソコンメーカーに電話してサポートを受けたほうがいいと思います。なぜなら、パソコンの設定に手を付けてしまって煮詰まる前に
- ONUとルーターは正しい順番でコンセントに入れましたか?
- LANケーブルは断線、端子の破損していませんか?
- 無線LANのスイッチは入っていますか?
- セキュリティソフトを切ってみましたか?
など、ごくごくシンプルな事をまず確認されて、「ハッ!!Σ(ll゚Д゚ノ)ノ」と気づかされることが多いからです。パソコンの設定に手を付けて、下手すればまる一日パソコンにつきっきりorz…、という事態を少しでも回避することができるでしょう。
また、プロバイダや回線業者に電話をかければ、回線が寸断されているなんて情報もいち早くつかめるので、パソコンをいじる前に原因がわかり、余分な時間をパソコンに費やすことがなくて済みます。
最後に
PCの設定に関するサイトは山ほどあります。ネットに関するサイトも。これらのサイトを見て解決できるのなら、私は何も言いません。今はスマホでも見れますしね。
でも、これらのサイトは、パソコン中級者以上の方のものと私は考えています。何千人ものお客様のサポートをさせていただいた中で、パソコンの電源の切り方すら知らない(シャットダウンではなくパソコン本体のスイッチでブツッと切ってしまう)お客様もたくさん見てきましたし、どんなに噛み砕いて説明しても
「わからない。」
というお客さんはたくさんいました。そういうお客さんに向かって、パソコンの設定をやってもらうのですから、まず、シンプルなところでつまづいているんじゃないかと思うのは当然のことで。
でも、
本当にこの辺でつまづいてるお客さんは多かったですよ。そして、これを直すと、
「ああ~、こんな簡単なことで直るんだね~、今度からそうするわ♪」
と嬉しそうに電話を切るお客さんも多かったのは事実です。なので、今回は、難しい設定には触れずに、まずシンプルなところから見ていこうということで、この記事を書かせていただきました。
パソコンに不慣れな初心者の方にこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです^^
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